都市は生産と消費が主要な場所として知られています。都市部は、繁栄と豊かさが発揮される場所であり、商業・経済活動が栄えている場所でもあり、インフラが最も輝きを見せる場所です。しかし、そんな都市はどんな代償を払うことになるのでしょうか？
都市はまた、深い不平等、矛盾が見える場所、効率があまり良くない場所でもあります。これは、気候・食糧・経済の危機によって悪化した健康危機が、都市機能の歪みを明らかにしています。
パンデミックに対する最初の反応は、都市が徹底的に破壊されるということが過去の状況からわかっています。特に大都市やメガロポリスでは、心身の健康、社会性、自然、周囲の景観と切り離された都市型のライフスタイルが定着していることを考えると、都市が機能しなくなることはより顕著です。
気候変動は、すでに不安定な精神バランスを悪化させたり、特に、若い世代における新たなストレスや不安の原因となっています。先月、FutureEarth、the Earth League、世界気候研究リサーチプログラム (the World Climate Research Program) が発表した気候変動に関する新たな10の知見には、エコ不安、エコロジカル・グリーフ、環境変化によるストレスが明記されていました。このような懸念は、都市部では確かな根拠となります。去年の11月、Nature誌は、持続不可能な生産・消費モデルが限られた天然資源に与える大きな影響に加え、欧州の都市部における大量の大気汚染濃度が、市民の健康にリスクをもたらしていることを発表しました。
生活の質の向上、より緑が多い空間、仕事・社会・個人のバランスの満足などを求める人々のニーズに直面し、都市は、繁栄するコミュニティを維持するため、都市政策の中に自然と景観を促進、取り入れることを再考し、再構築することを余儀なくされています。新型コロナウイルスパンデミックによる混乱だけでなく、気候変動や近年の展望や願望に対して、より柔軟で回復力のある都市を作る必要があります。多くの市民が、City sicknessやRural nostalgiaと呼ばれる、今までとは異なるペースで進む生活を営むこと、社会的な関係と自然再生のバランスをより良くするために「ストリート・レベル (Street-level)」、つまり隣人を大切することに価値を見出しています。
当然のことながら、プラトンもアリストテレスも都市を小さくする必要性を説いていました。
もし、都市と田舎が、遠くて通じない2つの世界だったらどうなっていたでしょうか？
もし、都市が軸となって人間と自然の繋がりの必要性を交差させた新しい形の都市性を構築したらどうなるでしょうか？
もし、都市が、絶え間ない対話と交流に基づいて、文化的・社会的・地域的・景観的な豊かさを実験する空の下の野外ラボラトリーになったらどうでしょう？